内村が今シーズン初登場となった、2014体操ワールドカップ東京大会ですが、
圧勝と言っていい内容で、内村が優勝しました。
1位 内村航平(日本) 92.898 2位 ファビアン ハンビュヘン(ドイツ) 90.231 3位 加藤凌平(日本) 89.397
詳細な結果はこちら
>>Men’s Individual All Around Result
今シーズンの方向性を見せるような大会だったと思いますが、内村は圧巻でしたね。
昨シーズンは、肩の故障もあって、D得点(難度)をあまり上げずに、出来栄えを表すE得点を稼ぐというスタイルでしたが、今シーズンはD得点も上げてきています。
昨年の世界選手権の個人総合決勝とD得点を比較してみました。
内村のD得点の比較
ワールドカップ東京 | 世界選手権 | |
ゆか | 6.6 | 6.4 |
あん馬 | 6.2 | 6.2 |
つり輪 | 6.2 | 6.2 |
跳馬 | 6.0 | 6.0 |
平行棒 | 6.6 | 6.4 |
鉄棒 | 7.0 | 6.9 |
合計 | 38.6 | 38.1 |
ゆか、平行棒、鉄棒でD得点を上げて、合計で0.5点増やしています。
ずっと勝ち続けているので、演技構成を変えずに、E得点を重ねていく今までのやり方でも問題ないと思うのですが、それでは納得がいかないのが内村ですね。
試合後のインタビューでも以下のように語っています。
昨年はDスコアを落として本当に無理をしない構成で挑んで、Eスコアでかなり稼いでチャンピオンになったんですけど、やはりどうしても・・・美しい体操っていうのが評価されて嬉しかったんですけど、やっぱりもう少し難しい事をやってかつ美しくできたらもっと達成感があるんじゃないかなと昨年思ったので、今年からは少しDスコアを上げて、Eスコアも9.0平均を目指してやるっていうのを目標にして。これはたぶんリオまでこの目標でやっていこうかなと思っています。
引用元: Taisou-nippon.
D得点をさらに上げて、そのうえでE得点の平均9.0(!)を目指すとのことです。
なんだか、さらりとすさまじいことを言っていますが、内村なら淡々とやってしまいそうです。
改めて見えた加藤と内村の差
3位に入った加藤とも比較しておきます。
内村航平
ゆか:D6.6 E9.000 得点15.600
あん馬:D6.2 E9.166 得点15.366
つり輪:D6.2 E9.066 得点15.266
跳馬:D6.0 E9.366 得点15.366 (ヨー2)
平行棒:D6.6 E8.800 得点15.400
鉄棒:D7.0 E8.900 得点15.900
D得点合計:38.6 E得点合計:54.298
合計:92.898
加藤凌平
ゆか:D6.7 E8.933 得点15.533
あん馬:D6.1 E8.866 得点14.966
つり輪:D6.0 E8.966 得点14.966
跳馬:D6.0 E9.033 得点14.733 (ロペス)
平行棒:D6.6 E8.933 得点15.533
鉄棒:D6.1 E7.566 得点13.66
D得点合計:37.5 E得点合計:52.297
合計:89.797
E得点に関しては、加藤はゆか、跳馬でのラインオーバーと、鉄棒の伸身コールマンでの落下があったので、それを差し引けば、差は1点ぐらい。そしてD得点で1.1の差がありますね。
演技構成を変えて、D得点を0.1上げるのもかなり大変だと聞いたことがあります。
加藤にしてみれば、D得点を1.1を上積みするのはおそらく気の遠くなるような作業でしょうが、目の前にいる内村を追いかけていけば、それがそのまま世界のトップに近づいていけるわけですから、ぜひそれを続けていってほしいと思います。
内村は世界体操代表に内定
本人も試合後のインタビューで「言われて思い出した」と言っていましたが、もう決まってしまいました(笑)。
早く決まってしまうと、出場権争いのシビアな戦いができないので、モチベーション低下が懸念されたりしますが、内村に限っては、自分の理想というものがすさまじく高く、その理想に対して努力をやめないことが当たり前の選手なので、そういう心配はまずないですね。
全日本選手権では、また演技構成を変えるようなので、D得点もさらに上がるんじゃないでしょうか。
楽しみですね。