一週間遅れになってしまいましたが、先週末の全日本選手権 団体戦を振り返ってみたいと思います。
結果はこちら
男子団体総合
試合前の予想としては、内村をはじめ、日本代表経験者だらけのKONAMIが優勝候補筆頭でしたが、しびれるような接戦を制して、順天堂大学が優勝しました。
最終演技者までもつれた、大接戦
最終種目の鉄棒では、順天堂大学が先に演技を終え、その時点でKONAMIとの点差は45.450。
一人につき15.150を出せば追いつくという状況で、内村、田中佑典、植松という、日本でも屈指の鉄棒のスペシャリスト3人をそろえるKONAMIの逆転優勝かなと思っていました。
そこで、一人目の内村が、普段は実施しない伸身トカチェフでまさかの落下。
会場で見ていて、この伸身トカチェフのあまりの雄大さに「うわ!」と驚いた直後の落下だったので、「うわ!・・あ!」と2度びっくりしてしまいました。
その後田中佑典が15.500を出し、最終演技者の植松を残して、点差は15.950。
日本でも最高レベルのD得点を持つ植松なので、完璧な演技をすれば逆転もあり得る状況でした。
(実際に翌日の種目別では、16.050)
植松は、コバチとコールマンの連続(!)を成功させ、会場は大盛り上がり。
このまま行けば逆転優勝か?と会場中が見守る中、アドラー1回ひねり~ヤマワキでまさかの落下。
歓声が一気にため息に変わり、会場全体が植松一人の演技によって大きく揺れました。
順天堂大学の集中力
順天堂大学の勝因は、ミスが少なかったことです。
とくにあん馬で、加藤、今林、中出の3人が、ほぼ完璧な演技をそろえました。
対するKONAMIは、小林が落下。
ここがこの日のポイントだったと思います。
6種目すべてに出場した加藤は、細かいミスはあったものの、大崩れすることなくさすがの安定感。
もう一人のエース野々村は、あん馬以外の5種目に出場し、ゆかで少しミスがあったものの、正確な演技で得点を稼いでいました。
他の選手もかなり気持ちが入っていて、演技後の力強いガッツポーズが若々しくてよかったです。
試合後、久永の「順天堂は加藤選手と野々村選手だけじゃないというところを見せたかった」というコメントにも、その思いが表れています。
D得点の部分では、若干KONAMIに分がありましたが、集中力で勝った印象でした。
五輪後の全日本選手権の意味
五輪を終えたばかりで、次のリオに向けた4年間のスタートという意味の大会ではありましたが、五輪に出場した選手にとっては、モチベーションや疲労という部分で難しい大会ではあったと思います。
加藤が全種目に出て、しっかり活躍したのは驚異的ですが・・・。
こういう大会で、五輪に出られなかった選手たちが発奮して頑張ることは、全体的なレベルアップにつながります。
そういう意味では、順天堂大学の優勝というのは、若手の台頭の象徴でもあり、喜ばしい結果だと思います。
これでまたクラブ間の競争が活発化して、さらに全体がレベルアップしていけば、リオの団体金メダルも見えてくるでしょう。
わたしは会場には行けなかったのです優勝こそ逃したものの、お客様の視線をさらったのはやっぱりKONAMIでしたね~。ファンの贔屓目はもちろんですが。笑
特に植松の鉄棒の時は、すごかったですね。
やはり大技を決める選手がいると盛り上がります。